美しい
70s 日本の雑誌広告 ISBN978-4-89444-579-6
昨夜、くまざわ書店のごく狭い写真集コーナーに吸い寄せられて出会った。
力強くて美しい写真が多い。
二十年前に目にしたものだってあるのに、その頃とは明らかに感じ方が変わっている。
…子供だった1970年代、それらは広告ではなく、電器屋に並ぶラジカセや街を走る憧れの
クルマや、テレビでギャグを演じあるいはヒット曲を唄うスターそのものだった。
そういった様々なモノごとを一所懸命に宣伝しようと制作された広告を今見ると、美しい。
巻頭で九歳年上の泉麻人が思春期だったと称する70年代は、僕にとっては80年代にあたる。
POPEYEやMEN'S CLUBといった雑誌媒体で日常的に広告に触れるようになり、願望や妄想を
膨らませ、たまさか消費行動にも及ぶようになった年代。
"ひとつ前の時代"を俯瞰するという視点も振る舞いも、そうした雑誌から教わった。
当時、そこから眺めた70年代は、とてもカッコ悪く見えた。"洗練"を身につけたつもりの80年代
の物差しに当て嵌めて見れば、場をわきまえない派手さ加減が正視に堪えなかった。
まさしく「ダサかった」。
だが昨夜は、すぐそばに並んでいた「80s 日本の雑誌広告」も手に取り眺めてはみたものの、
何だか小っ恥ずかしい気持ちが沸き上がってくるのを抑えられなくなり、すぐ棚へ戻した。
思春期だった80年代に対して冷静なスタンスを取るのは、まだ難しいようだ。
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