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Dec 13, 2007

近所の山

今月初めの日曜未明に自宅の近所で起きた殺人事件の現場のことが、僕は気になっている。
asahi.com:習志野の刺殺事件 同じ時間帯歩いた

|ところが、約600メートル進み、京成線の踏切を越えると、様子が変わった。左に寺、
|右には畑。街灯はか細い蛍光灯に変わった。
|上り坂を上がりきると、民家が途切れ、左右が墓地に。70メートルほど続く墓の真ん
|中あたりで前後を見た。墓石の間にだれかがいても気づきにくい。
|ここが、殺害現場とみられる場所だ。

記事とは逆の方向からだが、五年近く前、初めてこの道を通ったときのことを思い出す。

別の道のりを歩いて訪れた国道沿いのディーラーから、デミオを試乗して自宅へ戻る途中、
助手席の販売課長に教えられてこの道を辿った。14号から折れるとすぐ上り坂になって、
坂の向こうには空と墓石と卒塔婆しか見えなくなった。真っ昼間のことだから、恐怖心を
呼び覚ますわけでもなく、青空から陽光を浴びて立ち並ぶその様子は、むしろ長閑にさえ
感じられたが、驚いたのはその直後。行く手の光景が、突如どんでん返しに一変したのだ。

空と墓石と卒塔婆が、まるで、崩れ落ちる書割のように消え去るのと入れ替わりに下から
家並が立ち上がってくるかのように見えた。…一瞬呆気にとられて、ようやく、道が下り
始めたことに気づくのだった。

この界隈では、かつての海岸線沿いを走る国道14号から北の方角へ向かうと一様に上り
坂になっている…と、勝手に思い込んでいたのだ。

不意打ちを食らった上、その下り坂は急勾配だった。短い距離を一気に駆け下りるように
京成線の踏切まで来ると、右側は古びた寺の門の背後に鬱蒼とした森、左側は崖となって
落ち込んでいて、その縁を縫うように伝ってきた細い道が交わっていた。…早く遮断機が
上がってくれないものかと思いたくなるような、あたりの佇まいだった。

踏切を渡ると、道はやや幅を広げて緩やかなカーブを描きながら再び上り始め、そこから
先は、おおよそ思い描いていたとおりの光景が自宅付近まで続くのだった。

その後幾度となくこの界隈を散歩しているし、クルマでも、14号を船橋方面から戻って
きたときはこの道を辿ることが多い。海と自宅との間に横たわるこの"山"を上り下りする
のが、僕はどうやら好きらしい。なぜだか気になるその界隈で起きたこの事件を他人事の
ようには感じられず、早く解決して欲しいと願いながらコトの展開を追っている。

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