一日目
広尾で日比谷線を下車し、数年ぶりに見渡した外苑西通り沿いにはコンビニがなかった。
生憎と雨も落ち始め、通りを渡った向こうの広尾銀座まで足を延ばそうという気は失せる。
まだ時間にゆとりはあるが、とりあえず目的地へ向かおう…と角を左に曲がったところに
サンドイッチを並べた高級洋菓子店。…が、足を踏み入れ一瞥しただけで、珍しいことに
理性がアタマをもたげる。
いくら小食になったとはいえ、これっぽっちの小塊にこんな金額を払うワケにはいかない。
やはり、半年ぶりに丸の内地下のあの店で買っておいた方がよかったか…と途方に暮れる
のは早合点。果たして、十数年ぶりにやってきたこのセミナーハウスには食堂があった。
胃袋のキャパ、上げ膳据え膳の際のハンドリング、所要時間…などをトータルに考慮して
親子丼を選び、食券を先に購入しておいた。
座学のみに終始するのかと思っていた今回の研修だが、意表を突かれた恰好の記述式問題
演習に新鮮な疲労感を覚えたところで午前の部は予定より五分早く終了。"前売り券入手"
と相まって、流れるようにスムースに親子丼と向き合う。
付け合わせのワカメの酢の物には、当然ながら胡瓜が入っていた。…が、半年ほど前から
何故だか全く気にならなくなっており、また一つこの世から嫌いなものがなくなった自由さと
一緒に噛み締めるのだった。
午後の部も意識を失うことなく無事に終了。…これまで実地でつまみ食いするかのように
身に付けてきた知識を、改めて総覧的に学ぶこと自体が面白いと感じた初日だった。
ただ、六階の教室や廊下からも、駅との往き還りの道すがらからも、タワーを拝むことは
叶わなかった。
津田沼へ帰り着くと線路沿いの店に寄り、温かい鰻と冷たい薄切り胡瓜の「うざく」を注文。
…一日あたり胡瓜摂取量の自己記録を更新したと思われる。
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