春分の日
正午前、僕は五月の終わりに搬送された病院のレントゲン撮影室にいた。
もちろんきょうは、自分でクルマを運転して訪れた。休日も診療している自宅前の病院の
きょうの当直医に、整形外科医がいなかったからだ。
土曜の午後ベランダに出ようとしたとき、部屋の床に残した軸足の左足が前に滑りだした。
とっさに窓枠を掴んだが抗しきれずに足払いを食った格好で倒れ込み、椅子の座面の縁で
左脇腹の上辺りをしこたま打った。…しばらく呼吸ができないほどだった。
その日はとりあえず、痛みが弱まるまでやり過ごしてから出かけ、買ってきた湿布薬を
貼って剥がしてまた貼って、日曜月曜と過ごしたが、一向に痛みが去る気配がない。
仮に肋骨にヒビでも入っていたとしても、痛みを和らげるくらいの対症療法しかテがない、
というのは以前に聞いたことがある。そうなら仕方がないが、現状がどうなのか知りたい
と思ったのだ。
病院へ向かう道の最後の角を曲がると、予想に反して立派で瀟洒な大病院がでーんと
そびえ立っていた。全面建替え直後なのは知っていたが、五月のときは旧棟との間を
行き来しただけだし、帰り際に全容を見渡すような余裕もさすがになかった。
まず問診に当たったのは、当直の若い泌尿器科医だった。ただ、僕の既往症を告げると
後遺症の程度を確認するいくつかの触診を行った。それと今回の転倒との因果関係を
一応確かめておきたいからだと。「麻酔科医を除き、どの診療科医をも医師は標榜できる」
とは、いつか聞いたトリビアだが、この泌尿器科医はリハビリ医療にも明るいらしかった。
仮に肋骨が折れているとしても、大きく裂けて内臓に悪影響を及ぼすような類いだとは
考えにくいが、念のため写真を撮りましょうと。ただし、ヒビ程度の場合は…僕の知って
いるとおり、痛みを和らげて安静にする"日にち薬"くらいが関の山だと。
そして冒頭のレントゲン撮影室。撮影助手の若い女性の位置決めは、当たってるんだか
ハズしてるんだか僕には見当がつかないが、泌尿器科医が僕の脇腹に書いたマーキング
付近を中心に、姿勢と向きを変えて三・四枚分のX線を浴びる。
再び診察室に呼ばれると、誠実さ120%溢れんばかりのさっきの若い泌尿器科医ではなく
何だか世慣れた感じの、別の医師が座っていた。こっちが本来の整形外科医らしかった。
「折れている」とまでは言い切れず、さらには「ヒビが入っている」か否かも判別つきにくい
写真なのだそうだ。確かに、脇腹の表面に腫れとかがあるわけでもないし、骨折名人wな
友人言うところの「折れたかどうかは、寒気がするのですぐ判る」現象も全く感じない。
結局、大判でおそらくは効き目も強そうな湿布薬と、痛みに耐えられない際に服用する
数回分の鎮痛薬を処方してもらい、あとはやはり"日にち薬"に頼るということになった。
ここまで来たんだから、久しぶりに八千代の南の島まで足を延ばすつもりでいたのだが、
会計を済ませた後の財布を見たら、千円くらいしか現金がなかったので引き返す(苦笑)
WBCの決勝戦は、6回表あたりから最後まで見守った。まるで子供みたいになっていた
イチローが、とても眩しかった。
発売日の夜に芳林堂とくまざわ書店では見つからなかった。丸善は閉まっていたのか
それとも入らなかったのか忘れたが、夕方出かけて三回の専門書売り場に上がる。
コンピュータ関連書籍の書架を周到に見回って、二冊平積みになっているのを発見。
W-ZERO3パワーナビゲーター
きのうの大風でペンタゴンが倒れていたのを管理人さんが引き起こしてくれたそうだ。
思えばカバーをめくるのは、サイドパネルのトリカエ以来だ(苦笑)
風向きから考えて右側にイッタんだろうと思っていたら、まさしく折り畳まれていたのは
右側のステップだった。ナンバーの右下角にも力がかかったらしくその部分のカバーに
弱く裂け目ができていた。駐輪場の柱の間を繋いでいる横バーとフロントフォークを太い
ワイヤーロックで括り付けていたためフロント周りは接地していなかったようで、ミラーも
レバーも無傷だった。その他、特に損害なし。
ただし、カバーと同様車体全体に、赤っぽく細かい砂埃が乗っていた。
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