27センチイイカンジ
丸井が開いている頃合いに津田沼まで帰り着いたのを幸い、新設された北口エレベータを
降り、線路沿いの裏道をゆく。人通りが少ないから圧倒的に歩きやすい。…丸井の裏角の
丁字路を渡る横断歩道まで来て一瞬身構え立ち止まったのは、単にいつもの習い性だった
のだが命拾いした。東通りから折れて走ってきたキューブが、停止線で止まることもなく
こちらに一瞥もくれもせず、フツーに"コーナリング"していった。
エスカレータで5Fまで上がると、踵を返してバッグ売り場を抜け、目指す靴売り場へ向かい、
目を凝らして見回す。…が、"響いてくるもの"がなかった。品揃えが薄くなったことで、
「ココに宝の山がある♪」感も稀薄になっていたのだ。さらに、これまでココで靴を
買った際には毎回行き当たり、その都度必ず"履きたい靴"を見つけ出してくれていた
"専属シューフィッター:イソノ店員"の姿が見当たらないのだった。
最後に彼に逢ったのはもう一年以上前のことだから、配属店が替わったかあるいは辞めて
しまっていたとしても、別に不思議ではない。いずれにせよ、売り場には"履きたい靴"が
ないと感じた。
「早くココを立ち去れ。さもないと、またぞろブツヨク神が降りてきて余計なモノ買うぞ」
と云う声が聞こえたw
ふらふらとイオンまで辿り着くと、果たして、売り場には溢れんばかりに靴が並んでいた。
これまで何度も通りすがりに垣間見ていた印象だけを頼ってここまで来たのは正解だった。
まず、長いこと履いていないリーガルの、安めのモンクストラップに27cmの箱があるのに狙いを
定め手を挙げる。目が合った女性店員に導かれた試着用の椅子に腰を下ろしながら
「確かリーガルって、表示されてるサイズよりも一回り…」と訊ねると、「大きいですね」
と返ってくる。
幸先がよい。彼女は少なくとも、二十年前に僕が学んだ程度の商品知識は持っている…
その最初のリーガルは結局、どんなに悪戦苦闘しても装具着きの左足に履くことは出来
なかった。見た目とは裏腹、足首周りの開きが充分でなく、装具で直角に固定された踵が
入らなかったのだ。
その次に薦められたGTホーキンスは何とか履けたが、リーガルのトラディショナルさを
大きく通り越したその無骨さを受け容れることが出来ない。…さらにその後、試着しても
履けなかった靴がニ、三足…。
そこで改めて思い出すのが、イソノ店員に薦められ履いてきた、まさにこのカタチをした
靴だったのだ。当然ながらメーカーも違う全くの別物だが、似たものを見繕ってもらい、
やはり四苦八苦はしながらも、途中から「コレは入る…」と手応えを感じたとおり最後は
すぽんと収まった。しかも、履いてきた靴よりもひと回り小さい27センチだった。
右足のサイズ調整と踵高補正の中敷きは一枚で済み、かつ、歩きやすい。会社に着いて、
ナマ足に着替えた左足にとってもソレは同じ。
"上手な歩き方"に、文字どおり一歩近づけたような感覚で過ごせた一日だった。
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