遠かりし市川…
三年前とは異なり、サイレンは車内にもけたたましく響いていた。そして搬送された先は、
旧国立病院だった…。
今朝、いつもより一時間ほど遅く食卓までやってきて、いつものように左肘をストレッチ
しようと腕を伸ばし力を込める…と、意に反して左手首が反り返り、指五本がパラパラと
悶え始めたのだった。
突如始まった"フィンガーアクション"に「はて面妖な…」と思う間もなく、コレに連動する
かのように、左足の脹脛外側にも強張りを感じ、予期せぬほど強烈な内反尖足が生じる。
そこで体重を大きく右足に移そうとするが、どうしてか足元が心許ない。…支えきれずに
右側に沈み込んで、ゆっくりと反時計回りにターンしながら背後の食卓に寄りかかると、
気が遠くなっていった…。
…目が覚めると、枕もなく固い床の上で横になっていた。不思議だった。
…背後の上の方から、電話に向かって大きな声で話す母の声が聞こえてくる。
「あぁ…起きて早くシャワー浴びないと…」と思いながら、再びまどろんだ。
「ウシオさーん!ウシオさーん!大丈夫ですかー?!」という声に、また目を覚ます。
着帽制服姿の男性が上から覗き込んでいる。
「あぁ…どうやら救急隊員みたいだ。…ということは、僕は倒れたのか…」
有無を言わさず担架で担ぎ出された三年前とは異なり、今回は、どこかの救急外来に搬送
する必要があるかどうか、自らのカラダの状態と意思について、一応尋ねられる。そこで、
「きょうは元々斯く斯く然然で市川リハビリ病院に行く予定なので、その必要はない…」
と至極道理のつもりで訴えるが、こういうときの現実認識というのは、やはりトんでいるのが
道理(苦笑)結局有無を言わさず、今回は車椅子型のストレッチャーで救急車に搭乗する
羽目になり、そして冒頭に戻る…。
昨年か一昨年か、とある医療法人に買い取られた旧国立病院は、落成したばかりの新棟へ
の移転完了直前。ストレッチャーから見上げた旧棟救急外来処置室の天井はみすぼらしく
シミだらけだったが、曲がりくねった長い廊下を抜けて渡り廊下の段差を越えると、その先は
別世界の新棟だった。検査室には最新鋭だというCT装置があった。まるで小型のMRIの
ようなその装置のトンネル部分にアタマを差し入れベルトで固定されると、削岩機のような
例の騒音を感じることは全くなく、二分ほどでスキャンが終わった。
その後車椅子に乗せられ再び旧棟に戻り、脳神経外科へ。三年前に執刀医も言及していた
"開頭手術後の痙攣"が、今回初めて出たようだ…という見立てだった。デパケンR錠200
を1日2回2錠×30日分処方される。とりあえず中断せず飲みきるよう告げられる。
薬が徐々に溶け出るよう工夫された徐放剤ゆえ、残渣が排便に混じることがあるらしい。
再びちゃんと二本足で立ち上がり帰宅することはできたが、きょうは一日休暇をもらった。
市川に再入院してブロック療法を受けるのは、当分先のことになってしまうようだ…
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