« あイタたたたた | Main | とても痛むらしい »

Jan 30, 2005

「乗せてあったこと」をようやく知る

ZEN MICROのMP3ファイルの入れ替えをしていたとき、ふと思い立ち、ずっと以前から
やや気にはなっていたものの"何となく"放って置いたある事象を解決できるかどうか試みた。

それは、"Addicted To You UP-IN-HEAVEN MIX"(Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1)
のアタマのところで聞こえる"ノイズ"。

イヤホンをSHUREのE3cに替えたから聴こえ始めたワケではなく、audio-technicaのATH-CM7TI
だった頃からそうだった。そもそも、プレーヤー本体が先代MuVo2だった当初からずっとつきあってきた。
冒頭の30秒間ほど「ぱち、ぱちりぱち、ぱち…」という音が聞こえる。
通常耳にする音楽のほとんど全てがデジタル音源となった今日では耳馴れない音だ。

★Jan 31st:中尊寺ゆつこさんの訃報に伴い追記

そのMuVo2の当初、使い始めたばかりのリモコンのイヤホン端子が接触不良になり、動く
歩調に合わせて衣擦れのように、"パチパチ…"という電気雑音を伴い楽曲が細切れに
聞こえる現象に出くわしたことがあった。だがこれは、リモコン経由をやめ、イヤホンを
"本体直挿し"にしたら解決した。にもかかわらず、この"ノイズ"は残った…。

原因は判らねど、最初にリッピングした際に入ったものならばいずれついでのときにでも
やり直そうと思いつつ、結局さして気にも留めず放置、今回、リッピング後初めて(笑)CDを
再生してみる。

…"意外にも"と言うべきか"やはり"とするべきか、CDそのものからこの"ノイズ"が聞こえてきた。
"不良"なのかそれとも"作為"なのか思いは半々。しかし、改めてCDでしつこく拝聴すると、
デジタル音源には"あり得ないノイズ"のよう、まるで、アナログレコード時代に忌み嫌われた
"スクラッチノイズ"のように聞こえる…ような気もする。

「※当作品収録の楽曲中に、一部ノイズがのったように聞こえる部分がありますが、
これは制作者により意図的に作られたものです。」

ググるといきなり結論めいた公式エクスキューズが、ちゃんちゃん♪
…ではあまりにツマラナイので市井の声を拾ってみると…

僕のCDに、ここで質問者が例に挙げている"Wait & See 〜リスク〜"も収録されているが、
こっちの方のノイズは僕の耳には聞こえない。
確かに、冒頭、やや高音域の"クラップ"のようなリズムが刻まれているのに初めて気がついたが、
これもそうなのだろうか?

何しろ、この"Wait & See…"を初めて聴いたのは、発表直後の頃、那覇出張に赴く機内で、
この曲の着メロ制作の仕事をしていた友人からの「この唄すげーよ」と讃えるメールを読みつつ
"聴診器イヤホン"を介して、だったのだ(苦笑)
"機内サービス"のローテーションで三度ほど聴いた。
そのとき、歌詞や唄い方は強く印象に刻みつけたと思うし、ラストの笑い声は聞こえていたのだが…

改めて思う、五年も前に喧伝されていたことに今頃になって瞠目することの気恥ずかしさを(苦笑)

それにしても、数ヶ月ほど前に"英語でしゃべらナイト"で久方ぶりに良くも悪くも「脂の抜けた」塩梅に
お見受けし、僕的にはやや好感度を持ち直さないこともなかったこの方も、当時はまだトンガったことを
書いておられる。

ノイズだ、不良品だとレコード会社にクレームをつける人が多いらしいという現象を
「そういうノイズ音を入れてわざわざ、アメリカのR&B感をだしているというのにね。そんなことも
わからない人たちが主にヒカルを支えているのだ。」
と一刀両断にされても、ちょっと困ってしまう(苦笑)

★訃報に接するのは、たいていの場合"思いもかけず"なのだが、きょうはまさしく
胸潰れる思いがした。ご冥福をお祈りしたい。
昨年TVで観たときに受けた印象は、ひょっとして病気ゆえのことだったのだろうか…

その一方で、このウシオさん。初めに断っておくと僕ではない。
だが共感できることも書いてある。
タテに長いこの過去ログページを真ん中辺りまでスクロールすると
「2000.12.19.23:09 晴 BGM・・・今日からひとり…」という囲みがあり、さらに、その中ほどからの
「12月15日」の下りに
「CDが我が家にやってきて感動したこと。それは、「FMと同じ音階だ!」と感じたことだった。」
とある。確かにそれ以前は、ピッチの合ってない曲を耳にすることなどザラだった。

僕はこの方とは違い、CDとアナログ盤の聴き比べというのはやったことがない。というか、
アナログ盤で音楽を聴かなくなって20年近く、"ノイズとワウフラ"や"運用の煩わしさ"から
解放された恩恵の裏に隠れた"昔の良さ"のようなものは、もはやよく分からない。
ただ、PCMの原理や限界により「耳がダマされている」という"知識"は持っている。
サンプリングや圧縮により失われるものがあることも知っているつもりだ。
だから、このウシオさんの「未だに答えは出ていない。ま、一長一短といったところか。」という
デジアナ比較についての感じ方も、何となく分かる気がする。

「…針を落とすたびに増えていく(実際、そう簡単には増えないと思うが)ノイズは、そのレコードや曲に
対する思い出の分量と重なるのではないか。CDに入っているスクラッチノイズは、これから作る思い出を
先回りして押し付けられているようで、なんだかうっとうしいと思うのである。」

"スクラッチノイズ"に対するこれほどまでの思い入れは僕にはない。
だが、なんだかうっとおしいと思うのは同じである(笑)

| |

« あイタたたたた | Main | とても痛むらしい »

音楽」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「乗せてあったこと」をようやく知る:

« あイタたたたた | Main | とても痛むらしい »