まだ元気なきょうだった
サスガに日常は日常だ。あくまで日常だ。
でも、"憑き物が落ちた"ような褪め方とは無縁な日常に見えた…とりあえずきょうは、
そんな一日だった。
98年六月、一旦降りると決めた舞台に七年半ぶりに立った後、一ヶ月の間ほぼ毎日稽古に
通い二日間だけ幕を開けた芝居がハネた直後数日間の、"なかなか戻ってこれなかった"
日常とはもちろん違う。
忘れたくても忘れられないと思ったセリフや段取りだって、結局"カタチ"としては何もどこにも
遺っていない。
でもそれは、昔から元々そういうもの。
00年五月、九州四国近畿信州…と海路陸路を十日間にわたり巡ったツーリングから戻った
翌朝のこと。ヒゲを剃る儀式は何とか精一杯無感動に終えたにも関わらず、駅まで歩くカラダに
まとわりついてくるスーツの衣擦れにはやはり違和感を拭えなかったことが面映ゆかったくせに、
満員電車に身を預けたその刹那【懐かしさ】を覚えてしまった、あのときとももちろん違う…
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