ときどき気になってきたこと(いつ白くなったのか?)
singles; pizzicato five in triad & readymade years
(COCP-5630~1 2001 P NIPPON COLUMBIA CO.,LTD)
一月ほど前にこのCDを買ったのは、ジャケットを見て
「ひょっとしてコレは"カッコよかったタワー"かも…」と思った
からでもある。
現在とは違う、数年前の東京タワーである。
まだ実際に恩恵に浴してないからということはさて措くとして
どうしても馴染めないブサイクな地デジアンテナは、
当然ながらまだ戴いていない。
とはいえ、写っているタクシーや地下鉄のマークを見る限り、そんなに昔の画ではなく、
どんなに古くても十年は遡らないと思う。
せいぜい三、四年前だと仮定すると、昼間の姿はこうなるか?だとしたらコレは、
"カッコよかったタワー"ではないことになる。
重要なのは、四角い大展望台である。ココは以前は赤かったハズである。
ぃゃ、間違いなく赤く塗られていた。昭和40年代前半に物心ついて以来
ずっと、ココは疑いようもなく「赤く塗られた場所」だった。
それ故か、ある日初めて「白くなった」ことに気づいても、違和感に背を向け
「塗り直し途中の"下地"を敢えて晒してるんだろう」などと呑気に思い込み、
さして気に留めようともしなかったのである(苦笑)
…まぁ、変わってしまったものは仕方がない。昔に戻すことなどできないし、
「昔のほうがカッコよかった」などという自らの"郷愁"に身を賭しているワケ
でもない。
いずれそんなことは思い出さなくなるかも知れないし、大抵のことには順応
してしまっているだろう。
ただ、今のところはまだ「東京タワーはカッコ悪くなった」と僕は感じている。
「いつ白くなったのか?」と本格的に気になりだしたのが十日ほど前のこと。
87年春からずっと、東京タワーの見える場所で働いてきたが、「灯台下暗し」
ならぬ"灯台"そのものの変貌を、うっかり見落としていたことが口惜しい…
改めてそんな気分に駆られ、幾通りも検索語を変えてぐぐってみたが、まだ
結論には至らず、赤かった頃の大展望台の外観画像も見つけ出せていない。
以下、ここまでに色々と掘り出せたネタやソレに対する考察…
1.地デジアンテナは、2003年秋頃までには取り付けられていたようだ。
2.昔日の姿を憶えている方がいた。ページの中ほど"東京タワー送信部詳細"の
写真キャプションに「昔大展望台は赤かった記憶がある。公式ページによると
塗り分けが変更されたらしい」とあったのだ。
3.その公式ページのQAには
「現在は7等分に分けられていますが、
建設当時から昭和61年までは11等分に塗り分けられていました」とある。
しかし、「同時に大展望台も白く塗られることになった」かどうかは判らない。
…というより僕の記憶では、このときはまだ赤かったに違いないハズ。
でないと僕は、87年以来ずっと最近まで違和感に背を向けてきたことになる。
ソレはありえない。少なくとも"前世紀末"くらいまで、そんなことはなかった。
この旅行記の下の方にある「前回(1994年)撮影と今回(2002年)撮影の
比較」の"前回"より二年近く前に僕は、ほぼ同じ風景を大展望台から見ている。
そのときすでに大展望台は白かった、ということなのか?ちょっと信じ難い。
4.2002年4月、東京タワー展望台が43年ぶりのリニューアル工事を終え、
全面オープンしていたらしい。…そんなこと知らなくて当たり前だ。
その年の2月に患った病気の治療で、市川リハビリ病院に入ってた頃だもの。
5.リニューアル前後にタワーを訪れた方のページを見ると、全面オープン前の
時点で、すでに「白い」。このリニューアルを機に大展望台が白く塗り替えられた、
という線が濃厚であるような気もしてくる。
また、5月頃にはすでに地デジアンテナが取り付け真っ最中だったことも分かる。
このような変貌を、その秋、半年ぶりにタワーの麓に戻ってきた僕がどう受け止めたのか
よく分からない。少なくとも、目の前や足元をよく見て杖突いて歩くことに汲々としていた
ことだけは間違いない。
6.赤かった頃のことを明快に述べているテキストを、ついに見つけた。
NHKの「トップランナー」で庵野秀明監督が語っていたんだそうだ。
「とっても感じ良く語ってくれたのは「東京タワー」の昔の素晴らしさでした。
展望台が昔は赤くて国の規定によって白く塗り替えられてしまった」と。
そして、有難いことに"テープ起こし"をされた方のおかげで、その一部始終が判明!
…したのだが、困惑してしまったのが、"テロップ"で流れたというこの一節。
「東京タワーは法改正により昭和61年に現在の色に…」
庵野監督自身がその場で語ったコトバではないのである。
…単に公式ページから引き写しして、テロップにしただけなんじゃないのか?
これまで、特に悪感情はないがこれといって関心もなかった庵野秀明という
人に親近感を覚えたのは間違いないが、かえって隔靴掻痒感が高まる。
「庵野さん、東京タワーの大展望台は、一体全体、いつ白くなったんですか?
憶えていらっしゃいませんか?庵野さんのことだから定点撮影とかされてるん
じゃないですか?」とかお聞きしてみたい気もする。
奇しくもきょう12月23日は、「東京タワーの完工式。正式な営業を開始」の日
なのだそうだ。
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